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タッチペンで車の小傷をセルフ補修|正しい使い方とプロ並みに仕上げる10のポイント[2025.06.26]

 

大切な車にできた小さな傷、自分で直せるって知っていましたか?

車を所有していれば、どれほど気をつけていても飛び石や擦り傷といった「小さな傷」は避けられないものです。たとえ数ミリの塗装剥がれであっても、それを放置することでサビが進行し、車体そのものの寿命を縮めてしまうこともあります。そんなときに役立つのが「タッチペン」です。

タッチペンとは、自動車のボディカラーに合わせて塗料を小さなペン状にしたもので、ピンポイントで補修できるのが特長です。自宅で手軽に使えるため、プロに頼むよりも費用を抑えられるうえ、早めの処置が可能になるのも大きなメリットです。実際、板金塗装に出すと1cm未満の傷でも5,000円〜1万円前後かかることもあり、自分で直せるならその分コストカットにつながります。

ただし、タッチペン補修には「正しい使い方」が重要です。使い方を誤ると、かえって傷が目立ったり、色が浮いてしまったりすることがあります。さらに、補修の完成度は「色合わせ」や「乾燥時間の管理」「仕上げの処理」といった工程によって大きく左右されます。

この記事では、初心者でも失敗せずにタッチペンで補修できる方法を、わかりやすく、かつ専門的な観点から詳しく解説します。補修可能な傷の種類から始まり、適切な塗布手順、色選びのポイント、さらには仕上げの方法まで、必要な知識を網羅的にご紹介します。

タッチペン補修は一見シンプルに見えますが、細かいコツを押さえることでその仕上がりは大きく変わります。愛車を大切にするすべてのドライバーに向けて、自信を持って実践できる「傷消しの基本」をお届けします。

 

目次

1. タッチペンで補修できる傷の種類とは?
2. タッチペンの正しい使い方と手順
3. 色合わせを失敗しないためのポイント
4. タッチペンの乾燥時間と定着方法
5. 仕上げにコンパウンドを使うタイミング
6. タッチペン補修後のワックスの使い方
7. タッチペンの塗りムラを防ぐ方法
8. タッチペン補修が向いている車のカラー
9. タッチペンで修理できない傷の見極め方
10. タッチペン補修後にやるべき仕上げ方法

 

1. タッチペンで補修できる傷の種類とは?

タッチペンは、小さな傷や塗装剥がれを手軽に補修できる便利なアイテムです。しかし、すべての傷に対応できるわけではありません。まずは、タッチペンで補修できる傷の特徴と、その限界をしっかり理解しておくことが重要です。

タッチペンで補修できる主な傷は、「クリア層までにとどまっている浅い傷」や「塗装が少し削れた程度の小傷」です。たとえば、走行中に飛んできた小石でできた「飛び石傷」、駐車場でのドアの開閉時に生じる「擦り傷」、荷物の積み下ろしでついてしまった「バンパーの浅い引っかき傷」などが該当します。これらの傷は、深さがおおよそ0.1〜0.3mm程度であり、下地の金属まで到達していないことが多いため、タッチペンでの補修に適しています。

一方、タッチペンが向かない傷にはいくつかの特徴があります。たとえば、凹みを伴っている場合や、鉄板まで達してサビが発生しているような深い傷は、タッチペンだけでは不十分です。また、パテ処理や研磨が必要な傷、クリア塗装の層を超えて複数の塗膜層にまで達している損傷なども、プロによる板金塗装が必要になります。

日本自動車整備振興会の調査によれば、軽度の飛び石傷や擦り傷は、年間を通して平均2.3回程度の頻度で発生しているというデータがあります。これらの小傷を放置しておくと、酸化や雨水によってサビが広がり、修理費用が倍以上に膨らむケースもあるため、初期段階でのセルフメンテナンスが非常に重要です。

また、車の色によっても補修の難易度が異なります。特にソリッドカラー(白・黒などの単色)であれば、タッチペンの色も合わせやすく、塗りムラも目立ちにくいため、初心者でも比較的簡単に補修できます。一方で、メタリックカラーやパール塗装の場合、光の反射具合によって色の違いが浮き彫りになりやすく、細かな調整が必要になります。

このように、タッチペンは「浅い・小さい・広がっていない」傷に最適であり、適用範囲を理解することで仕上がりを大きく左右します。自分の車の傷がタッチペンで直せるかどうかを正確に見極めることが、失敗しない補修の第一歩となるのです。

 

2. タッチペンの正しい使い方と手順

タッチペンでの補修作業は、一見簡単そうに思えますが、実は工程ごとにポイントを押さえなければきれいに仕上がりません。ここでは、初心者でも実践できる正しい使い方と手順を、具体的に解説します。

最初に行うべき作業は「傷の洗浄」です。市販の中性洗剤やカーシャンプーで、傷周辺の汚れや油分、ワックスの残留成分をしっかり落としましょう。これを怠ると塗料の定着が悪くなり、数日で剥がれてしまう原因になります。

洗浄後は完全に乾燥させ、必要に応じて「脱脂」処理を行います。脱脂にはシリコンオフなどの専用クリーナーを使い、塗装面の表面にある微細な油分を取り除きます。この工程を省略すると、タッチペンの塗料が弾かれてムラになる可能性があります。

次にタッチペンをよく振って塗料を均一にします。塗る際は、傷の中心から外側に向けて少量ずつ塗布し、一気に厚塗りしないように注意しましょう。薄く塗って乾かす作業を数回繰り返すことで、塗りムラを防ぎ、美しい仕上がりになります。1回の塗布でおおよそ5〜10分程度の乾燥時間をとるのが理想です。

乾燥後は塗料の表面を平らに整えるため、2000番以上の極細耐水ペーパーで軽く磨きます。ただし、塗膜が完全に乾燥してからでないと、逆に削りすぎて塗料が剥げる恐れがあるため注意が必要です。一般的に、24〜48時間程度の自然乾燥を目安にすると安心です。

なお、外気温が10℃未満の場合は塗料の乾燥が遅れ、塗り重ね時に塗膜がズレることがあります。冬場など気温が低い時期は、日中の暖かい時間帯を狙って作業を行うか、ドライヤーを活用するのも一つの方法です。

このように、洗浄・脱脂・塗布・乾燥・研磨といった各工程を正確に実行することで、DIYでもプロに近い補修が可能になります。特に初めて作業する方は、各ステップにかける時間をしっかり確保することで、失敗のリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

 

3. 色合わせを失敗しないためのポイント

タッチペン補修における最大の難関とも言えるのが「色合わせ」です。車のボディカラーは単なる白や黒ではなく、製造ロットや経年変化によって微妙に異なるため、正確な色を選ばないと補修箇所がかえって目立ってしまうことがあります。

まず基本として、自分の車の「カラーナンバー」を正確に把握しましょう。カラーナンバーとは、車体のどこかに記載されている塗装コードで、メーカーや車種によって異なります。多くの場合、運転席ドアの内側やボンネット裏のラベルに表示されています。これを元にタッチペンを選ぶことで、標準色とのズレを最小限に抑えることができます。

しかし、カラーナンバーが合っていても、使用年数や紫外線による色あせ、地域の気候差によって、実際の車体の色と新品塗料の色にズレが生じるケースは少なくありません。こうした場合は、塗布前に「テスト塗り」を行い、色の違和感を確認することが重要です。紙や厚紙などの捨て塗り面を使って、一度塗ってみることで、実際の色味を事前にチェックできます。

また、塗装の種類によっても色合わせの難易度は変わります。ソリッドカラーは比較的合わせやすいですが、メタリックやパールカラーは光の反射によって色が変化するため、見る角度や照明条件によってズレが目立ちやすくなります。このような塗装は「ぼかし塗装」という技術が必要になることもあり、完全な色合わせはプロでも難易度が高いとされています。

そのため、補修範囲を極力狭くし、周囲との境界線を目立たせないようにすることがポイントです。塗装境界を「フェードアウト」させることで、色味の違いを自然に馴染ませることができます。

さらに、艶消し塗装やマット系カラーの場合は、光沢調整まで含めて考える必要があるため、タッチペンだけでの完璧な再現は難しいと認識しておくべきです。こうしたカラーは補修後にマットクリアなどの特殊な仕上げ剤を使用することで、ある程度質感を近づけることができます。

このように、色合わせの精度は補修の成功に直結します。焦らず、入念な確認を重ねることが、美しい仕上がりを手に入れるためのカギとなるのです。

 


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4. タッチペンの乾燥時間と定着方法

タッチペンでの補修では「乾燥時間」と「定着性」が仕上がりを左右します。乾燥が不十分なまま重ね塗りや研磨をすると、塗料がズレたり剥がれたりして補修跡が目立つ原因になります。

乾燥には2段階あり、表面がべたつかなくなる「指触乾燥」までは約15〜30分、内部まで硬化する「完全乾燥」には24〜72時間かかります。梅雨や冬は乾燥に時間がかかるため、気候条件を考慮した作業が必要です。

塗装前の下地処理も重要です。油分やワックスをシリコンオフで除去し、必要に応じて600〜1000番のサンドペーパーで軽く足付けしておくと塗料の密着が高まります。

乾燥は直射日光を避け、風通しのよい日陰で行うのがベストです。日光で急速に乾燥させると、表面だけが硬化し内部が乾かず、クラックの原因になります。ドライヤーを使う場合は、40℃前後の温風を一定距離から均一に当てましょう。

湿度にも注意が必要です。80%を超えると乾燥が遅れ、塗膜にブツブツができたり艶が失われることがあります。作業には湿度50〜60%の環境が理想です。

また、塗料の種類によって乾燥性や耐久性が異なります。ウレタン系やラッカー系は乾燥に時間がかかりますが耐久性が高く、水性タイプは乾きが早い反面、耐候性はやや劣ります。使用環境や補修箇所の特性に合わせて選ぶようにしましょう。

乾燥と定着を丁寧に管理することが、補修を美しく長持ちさせる最大のポイントです。

 

5. 仕上げにコンパウンドを使うタイミング

タッチペン補修の完成度を高めるには、コンパウンドによる仕上げが効果的です。細かい研磨剤を含むコンパウンドは、塗装面の段差やムラを整え、自然な艶を出すために使います。

使用は塗料が完全に乾いた後、2〜3日経過してからが適切です。乾燥が不十分だと塗膜を傷める恐れがあるため、焦らず作業を進めましょう。

コンパウンドには粗目〜極細目まで種類があり、まず中目や細目で段差を整え、最後に極細目で艶を出します。柔らかい布に少量を取り、軽く円を描くように磨くのが基本です。力を入れすぎたり、同じ場所を磨き続けると塗膜が傷むので注意が必要です。

作業環境も重要です。高温下では摩擦熱で塗膜が劣化し、寒冷時は研磨効果が出にくくなります。15〜25℃の室温が理想です。また、磨きすぎると「バフ目」と呼ばれる細かい傷が出るため、仕上げは極細目で優しく行いましょう。

電動ポリッシャーはムラや焼き付きのリスクがあるため、初心者には手作業を推奨します。

コンパウンドを適切に使えば、タッチペンの補修跡がぐっと目立たなくなり、自然な仕上がりに近づきます。仕上げのひと手間が、美観を大きく左右します。

 

6. タッチペン補修後のワックスの使い方

タッチペンでの補修が終わった後、見落とされがちなのが「ワックスがけ」です。ワックスは艶出しだけでなく、補修箇所の保護や色ムラの緩和に効果があり、補修の仕上がりと耐久性を高める重要な工程です。

ワックスがけは、タッチペンとコンパウンド作業が終わり、塗膜が完全に硬化した後に行うのが理想です。最低でも3日、できれば1週間程度空けてから実施すると安心です。

補修には、固形よりも液体やスプレータイプのワックスが向いています。特に「研磨剤入りワックス」は避け、「ノーコンパウンドタイプ」を選ぶことで、塗膜を傷つけるリスクを減らせます。

ワックスがけ前には洗車で砂やホコリを除去し、補修箇所を中心に薄く均一に塗布しましょう。拭き取りは力を入れず、優しく行うのが基本です。塗りムラや塗膜のダメージを防ぐためにも、丁寧な作業が求められます。

補修部分だけにワックスをかけると艶や色の違いが目立つことがあるため、できればパネル単位、もしくは車全体にワックスをかけて自然な見た目に仕上げましょう。

また、最近はスプレー式の簡易コーティング剤も人気で、撥水性や紫外線防止に優れ、補修箇所の劣化防止にも有効です。

補修は塗って終わりではありません。仕上げまで丁寧に行うことで、美しさと長持ちの両方を実現できます。最後の一手間が愛車を守る鍵となります。

 


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7. タッチペンの塗りムラを防ぐ方法

タッチペン補修で特に目立ちやすいのが「塗りムラ」です。せっかくの補修も、ムラがあると逆に傷が目立ってしまい、美観を損ねる原因になります。特に光が斜めに当たる角度では、色ムラや塗料の盛り上がりが目立ちやすくなります。

ムラを防ぐには、まず下地処理が重要です。表面に汚れや凹凸があると塗料が均一に乗らず、ムラの原因になります。耐水ペーパーやシリコンオフで滑らかに整え、油分をしっかり除去しておきましょう。

塗布量は少量を複数回に分けて塗るのが基本です。一度に厚塗りすると乾燥ムラや垂れの原因になります。特に広範囲の傷では、薄く丁寧に重ねることで均一な仕上がりになります。

塗るときの角度やスピードも影響します。筆はやや寝かせ、一定のスピードでゆっくりと塗布するのが理想です。筆先の余分な塗料はティッシュで軽く拭き取るとコントロールしやすくなります。

塗装環境も大切です。風の強い場所や湿度の高すぎる環境では、塗料が流れたりホコリが付着しやすくなります。屋内や湿度50〜60%程度の場所が最適です。

また、タッチペンは使用前にしっかりと振りましょう。混ざりが不十分だと、色味のムラが出やすくなります。特にメタリックやパール系は粒子の偏りで色にばらつきが出やすいため要注意です。

仕上げには「ぼかし」も効果的です。塗装範囲をやや広げて境目をなじませることで、グラデーションを作り自然な仕上がりに近づきます。

ムラを防ぐには、準備・塗布・乾燥のすべてに丁寧さが求められます。コツを押さえれば、初心者でもムラの少ない美しい補修が可能です。

 

8. タッチペン補修が向いている車のカラー

タッチペン補修は便利ですが、車の色によって仕上がりの難易度は大きく変わります。色や光沢の特性によっては、わずかな塗装の違いが補修跡として目立つことがあります。

最も補修しやすいのは「ソリッドカラー」です。白や黒、赤などの単色系は塗膜構造がシンプルで、色合わせがしやすく、タッチペンでも自然に仕上がります。JISの自動車カラー規格でも、ホワイト系は流通が多く色ブレが少ないとされています。

一方、「メタリックカラー」や「パールカラー」は補修が難しい色です。これらは光の反射によって見え方が変わるため、単層塗装のタッチペンでは再現が難しく、角度によって補修跡が浮き出やすくなります。特にパール塗装は3層構造になっており、完全な色合わせは困難です。

「ツートンカラー」も要注意です。色の境界線を正確に塗り分けるのは難しく、DIYではズレや不自然さが目立ちやすくなります。作業する場合は、境界線を避け、単色部分だけを補修するのが無難です。

また、「マットカラー」や「サテン仕上げ」など艶を抑えた塗装も、光沢のあるタッチペンでは補修部分だけが浮いてしまいます。専用の塗料がある場合もありますが、再現には高度な技術が必要です。

補修しにくいカラーでも工夫次第で目立ちにくくできます。たとえば、傷周辺を軽く磨いて光沢をなじませたり、艶を抑えたトップコートを使う方法があります。また、色の差が目立たないよう最小限の「点塗り」に留めるのも効果的です。

わずかな色の違いでも、見た目の違和感は大きく感じられるものです。タッチペン補修を成功させるには、車のカラー特性を理解し、適切な方法を選ぶことが大切です。

 

9. タッチペンで修理できない傷の見極め方

タッチペンは手軽で便利な補修ツールですが、すべての傷を修理できるわけではありません。無理にタッチペンで補修しようとすると、かえって見栄えが悪くなったり、車の価値を下げてしまうことにもつながります。ここでは、タッチペンでは対応が難しい傷の特徴と、その見極め方について詳しく解説します。

まず基本的な判断基準となるのが「傷の深さと広がり」です。タッチペンが有効なのは、クリア層や塗装層までの浅い傷であり、金属部分まで達していないものに限られます。逆に、塗装が完全にはがれて下地の金属が見えていたり、サビが発生しているような傷は、タッチペンでは対処しきれません。こうした場合は、パテ処理や再塗装といった専門的な板金作業が必要になります。

傷の長さや面積も重要な判断材料です。一般的に、長さが5cmを超える傷や、幅が1cm以上ある傷はタッチペンでは均一に塗布しづらく、補修跡が残りやすくなります。塗布面積が広くなると、塗料が乾く前に埃が付着したり、色ムラが目立ちやすくなるため、仕上がりの質が大きく落ちるリスクがあります。

また、凹みを伴う傷も要注意です。タッチペンは塗装面を修復するものであり、ボディの形状自体を直すことはできません。凹みがある状態で塗料を塗っても、その凹みは残ったままで、光の反射によってかえって補修箇所が目立ってしまう場合があります。このような場合は、デントリペアなどのボディ成形技術が必要です。

塗装表面にクラック(ひび割れ)が入っている傷も、タッチペンでは不十分です。クラックは塗膜全体に広がる可能性があり、補修してもすぐに再発することがあります。こうした場合は、塗膜全体を一度剥がして再塗装を行うのが理想です。

加えて、バンパーやフェンダーなど柔軟性のある樹脂パーツにできた傷も注意が必要です。これらの部品は塗装の伸縮性が求められるため、タッチペンの塗料では密着性が不足し、時間の経過とともに剥がれる可能性があります。専用のプライマーや軟化剤を使わずに補修するのは避けるべきです。

最も確実な判断方法は、補修前に「光を当てて傷の状態をチェックする」ことです。スマートフォンのLEDライトなどを斜めから当てると、塗装の剥がれ具合や深さが浮き上がって見えやすくなります。塗装の層構造を確認し、どこまでダメージが及んでいるかを見極めることで、タッチペンで対応可能かどうかを判断する精度が高まります。

タッチペンは、適切な用途と範囲で使えば非常に有効な補修ツールです。しかし、それを見極める目がなければ、かえって車の価値を損ねてしまう恐れもあります。無理にDIYで済ませようとせず、傷の性質と程度に応じて最適な処置を選択することが、結果として最も賢い判断と言えるでしょう。

 


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10. タッチペン補修後にやるべき仕上げ方法

タッチペンでの補修は、塗料を塗る工程で完了と思われがちですが、実はその後の仕上げ作業こそが補修の「完成度」を決める要となります。補修箇所を自然に馴染ませ、耐久性を高めるためには、複数の仕上げ工程を丁寧に行う必要があります。ここでは、補修後に必ず取り入れてほしい仕上げの方法について詳しく解説します。

補修後の最初の工程は、塗布面の「段差調整」です。タッチペンで塗装すると、どうしても周囲の塗装面より塗料が盛り上がり、微細な段差が生まれます。この段差をそのままにしておくと、光の反射で補修箇所が目立ちやすくなり、素人補修であることが一目でわかってしまいます。2000番以上の極細耐水ペーパーを使って、軽く水研ぎを行い段差を滑らかにするのが基本です。研磨する際は、塗料が完全に乾燥した状態(48時間以上経過が理想)で行うこと、力を入れすぎないことが大切です。

次に、研磨後の光沢復元のために「コンパウンド仕上げ」を行います。細目→極細目の順に使い分けることで、塗装面を鏡面のように滑らかに整えることができます。特に黒など濃色車は細かなキズや塗りムラが目立ちやすいため、この工程を丁寧に行うかどうかが補修跡の仕上がりを大きく左右します。クロスはマイクロファイバークロスなどキズがつきにくいものを使用することで、余計な摩擦ダメージを避けることができます。

仕上げ工程において見落とされがちなのが「保護処理」です。補修箇所は塗膜が薄く、紫外線や雨風に対して弱くなっています。そのため、塗装面を保護するためのワックスがけ、あるいは簡易コーティングの施工が効果的です。最近ではスプレータイプで手軽に使えるガラス系コーティング剤も増えており、補修跡の耐久性と艶感を高めるアイテムとして重宝されています。

補修後数週間は特に注意が必要です。新しい塗装面はまだ完全に硬化していないため、高圧洗浄機の使用やブラシ洗車、研磨剤入りシャンプーなどの使用は控えるべきです。塗装業界では、再塗装後の完全硬化には約30日間かかるとされており、その期間中はやさしい手洗いと日陰での保管が望ましいとされています。

また、補修箇所を確認する際は、昼間の太陽光だけでなく、夜間や蛍光灯の下など異なる照明条件での見え方もチェックしましょう。これにより、塗りムラや光沢の差がより客観的に把握でき、必要に応じて再調整が可能になります。

万一、仕上がりに納得がいかない場合でも、無理に何度も塗り直すのは避けるべきです。タッチペンの重ね塗りは限界があり、塗膜が厚くなりすぎるとひび割れや剥がれの原因となります。一度塗り直す場合は、古い塗膜をきれいに削り取り、再度下地からやり直すのがセオリーです。

補修は「見え方」だけでなく、「劣化の進行を防ぐ」という意味でも重要です。だからこそ、仕上げの一手間を惜しまないことが、結果として愛車の美しさと価値を長く保つことに繋がるのです。

 

タッチペン補修は知識と丁寧さが鍵

タッチペン補修は、正しい知識と少しの技術があれば、誰でも挑戦できる車のメンテナンス手段のひとつです。この記事では、タッチペンで補修できる傷の種類から始まり、使い方の手順、色合わせのポイント、乾燥時間と定着方法、さらには仕上げに至るまで、補修を成功させるためのすべての工程を網羅的に紹介しました。

特に重要なのは、各工程で「焦らず丁寧に」作業することです。下地処理をしっかり行うこと、塗料を少しずつ重ねること、乾燥をしっかり待つこと、そして仕上げにコンパウンドやワックスを使うこと。この一連の流れを守ることで、DIYでありながらもプロに近い仕上がりを目指すことが可能になります。

また、色選びや補修後のケアなど、見た目だけでは判断できない専門的な知識も、仕上がりに大きく影響します。例えば、ソリッドカラーは比較的補修がしやすい一方で、パールやメタリックカラーは光の反射によって色のズレが生じやすく、色合わせに工夫が必要です。さらに、補修できない傷をしっかり見極めることも、無駄な作業や費用を避けるために欠かせないスキルです。

近年の調査によると、日本国内の自動車所有者の約64%が「車にできた小さな傷が気になるが、修理に出すほどではない」と感じているというデータもあります。こうした潜在的なニーズに応える手段として、タッチペン補修のニーズは今後も高まっていくと考えられます。

愛車の価値を守りたい、少しでも美しい状態を保ちたいという思いは、すべての車オーナーに共通する願いです。タッチペンという小さな道具でも、その使い方ひとつで大きな満足感を得られることは間違いありません。

これを機に、自分自身の手で愛車のメンテナンスにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。丁寧な補修作業が、きっとあなたと愛車の絆をより深めてくれるはずです。

 


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