- 車のキズをDIYで修理する方法と注意点|初心者でも失敗しない補修ガイド[2025.06.11]
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自分でできる!車のキズ修理DIYガイド|正しい方法と失敗しないコツを徹底解説
車の小さなキズ、プロに頼る前に自分で直してみませんか?
駐車中に気づいた小さなキズや、洗車中に見つけた細かな擦り傷——カーライフにおいて“ちょっとしたダメージ”は避けて通れません。こうした小さなキズに対して、わざわざ修理工場へ持ち込むのは手間もコストもかかるため、「自分で直せたらいいのに」と考えたことのある方も多いのではないでしょうか。
実際、最近ではホームセンターやネットショップで車の補修用品が手軽に入手できるようになり、DIYでのキズ修理に挑戦する人が増えています。とはいえ、やみくもに作業を始めてしまうと、かえってキズを悪化させたり、仕上がりが不自然になってしまうことも少なくありません。失敗しないためには、正しい手順と道具の選定、そして仕上げまでを理解したうえで作業することが重要です。
この記事では、車のキズを自分で直したいと思っている初心者の方に向けて、DIYで修理できるキズの種類から、コンパウンドの使い方、タッチペンやパテの活用法、クリアコートの仕上げ、そして仕上がりをきれいに保つためのメンテナンス方法までをわかりやすく解説します。
たとえば、ほんの浅い線キズなら、数百円のコンパウンドとスポンジだけで目立たなくできるケースもあります。また、塗装の剥がれや小さな欠けも、正しいマスキングとタッチペン、さらにクリアコート処理をすれば、見た目にもほとんど気にならないレベルに仕上げることが可能です。
さらに、DIYで直すべきか、それともプロに依頼すべきかの判断基準や、修理後のチェックポイントも紹介。これを読めば、「やってみたけどうまくいかない」というリスクを最小限に抑えることができるはずです。
手間と費用を抑えながら、自分の手で愛車をきれいに保つ喜びを感じてみませんか?この記事を参考に、安心してキズ修理DIYにチャレンジしてみてください。
目次
1.DIYで直せるキズの種類を知ろう
2. 傷消しに必要な道具と材料を準備
3. コンパウンドを使った磨き方
4. タッチペンを使う際の正しい手順
5. 小さなキズを埋めるパテの活用法
6. 塗装の剥がれを最小限に抑えるコツ
7. クリアコートの仕上げでキズを目立たなくする
8. 失敗しないためのマスキングテクニック
9. プロに相談すべきキズの判断基準
10. DIY後のメンテナンスと仕上がりチェック1. DIYで直せるキズの種類を知ろう
車のボディにできたキズにはさまざまな種類がありますが、そのすべてがDIYで補修可能というわけではありません。まずは、自分で修理できるキズと専門業者に任せるべきキズの違いを明確に理解することが、DIY補修の第一歩です。
DIYでの対応が可能なキズの代表例としては、クリア層の浅い擦りキズや、塗装がわずかに削れた程度の線キズなどがあります。たとえば、買い物カートが軽く当たったことでできたスリキズや、洗車による細かな線キズなどは、コンパウンドやタッチアップペンで比較的簡単に補修できます。実際、JAFの調査でも「ユーザーが自分で対応できると思っているキズ」は全体の約63%に上るとされており、多くの人がDIYにチャレンジしている現状がうかがえます。
一方、下地のサフェーサーが露出しているような深いキズや、塗装が完全に剥がれて金属面が見えてしまっているキズは、DIYで補修するには難易度が高くなります。こうした場合は、防錆処理や下地からの再塗装が必要になり、仕上がりをキレイに保つためには専用の塗装ブースや熟練の技術が不可欠です。
判断のポイントとしては、「爪が引っかかるかどうか」が目安になります。爪が引っかからない程度の浅いスリキズは、コンパウンドで研磨するだけで目立たなくなることが多く、爪が引っかかる深さがある場合には、塗料やパテによる補修が必要になります。
また、へこみを伴うキズはDIYでは対応が難しい部類に入ります。金属が変形している場合、表面を直すだけでは元の美しさには戻らず、専用工具での引き出しや叩き出しが求められます。これらの作業には強い力と経験が必要で、自己流で行うとさらに状態を悪化させてしまう可能性もあります。
さらに注意したいのは、キズの位置です。たとえば、ドアエッジやバンパーなどの曲面は補修が難しく、タッチアップペンが流れてしまったり、コンパウンドで周囲にムラが出るリスクが高くなります。反対に、ボンネットやドアの中央部など、比較的平坦な面のキズはDIY向きといえます。
このように、DIYで修理可能なキズを見極めるには、深さ・広さ・位置といった複数の視点からの判断が必要です。無理に自力で対応しようとしてかえって目立つ仕上がりにならないよう、自分のスキルとケースを照らし合わせながら慎重に見極めましょう。
2. 傷消しに必要な道具と材料を準備
DIYで車のキズを補修するためには、適切な道具と材料をそろえることが非常に重要です。これを疎かにすると、思ったような仕上がりが得られないばかりか、キズを広げてしまったり、塗装をムラにしてしまう危険性すらあります。
まず必須となるのが、「コンパウンド」です。これは、キズ部分を物理的に削り取ってなめらかにする研磨剤であり、粗目・中目・細目の3種類を段階的に使用するのが一般的です。用途に応じた粒子の選択が仕上がりを大きく左右します。浅いキズには細目や極細目、中程度の擦りキズには中目が適しています。
次に必要なのが「タッチアップペン(補修用塗料)」です。これは車の純正カラーに合わせた塗料が販売されており、車体番号などから対応色を検索することが可能です。使用前にはしっかりと振って中の塗料を均一にしておく必要があり、重ね塗りによる色むらの防止にもつながります。
補修作業においては、「マスキングテープ」も重要な役割を果たします。補修箇所以外に塗料が付着するのを防ぐために使用し、特に塗装やパテ作業時には欠かせない道具です。貼り方が雑だと塗料のにじみや段差ができるので、丁寧な作業が求められます。
その他、「パテ」「プラサフ(プライマーサフェーサー)」「クリア塗料」も準備すべきです。パテは小さな欠けや凹みを埋めるために使用し、プラサフは塗料の密着性を高めるための下地塗料です。最後に塗布するクリア塗料は、塗装面を保護し、艶を出す役割を担っています。
さらに「柔らかいクロス」や「研磨用スポンジ」、「脱脂剤」「ゴム手袋」なども用意しておくとよいでしょう。クロスはコンパウンドを使った磨き作業に、脱脂剤は塗装前の油分除去に使用され、ゴム手袋は手肌の保護に役立ちます。
作業場所にも注意が必要です。風が強い屋外や直射日光の下での作業は塗料の乾燥ムラやゴミの付着につながるため、可能であれば屋根のある静かな場所を選ぶことが望ましいです。温度や湿度も仕上がりに影響するため、天候の安定している日を選ぶこともポイントです。
このように、DIYでの傷消しには多くの道具と材料が必要です。どれも高価なものではありませんが、各工程に合ったアイテムを適切に選び、正しい順序で使うことが、美しい仕上がりへの近道となります。
3. コンパウンドを使った磨き方
コンパウンドは、車の浅いキズを目立たなくするために非常に有効な道具です。塗装面を削ることでキズをなじませ、光の反射を均一にすることでキズを見えにくくする効果があります。ただし、使用方法を誤ると周囲の塗装まで傷つけてしまうため、正しい手順と注意点を押さえることが大切です。
まず、作業前にはキズ周辺をしっかり洗車し、泥や砂、油分を完全に取り除きましょう。これを怠ると、コンパウンド使用中に不純物が表面をさらに傷つけてしまう恐れがあります。また、水分もよく拭き取り、乾いた状態で作業することが推奨されます。
次に、コンパウンドの選定です。傷の深さや面積によって使う粒度が変わります。一般的には、まず中目でキズのエッジをならし、その後、細目や極細目で仕上げるのが基本です。市販されている3段階セットのコンパウンドを使用すれば、段階的に美しい仕上がりが得られます。
使用する布やスポンジにも注意が必要です。柔らかいマイクロファイバークロスや専用の研磨パッドを使用し、力を入れすぎずに円を描くように優しく磨きます。1箇所に長時間かけすぎると、塗装が剥がれる恐れがあるため、軽く数回に分けて行うのがポイントです。
作業中はこまめに光の当たり方を変えて確認し、キズがどの程度目立たなくなっているかを見極めましょう。途中で進捗を確認しながら調整することで、磨きすぎによる塗装剥がれや艶ムラを防ぐことができます。
また、コンパウンド作業のあとは、必ず表面を水拭きまたは脱脂剤で拭き取り、残留した研磨剤を取り除きます。これを怠ると、後の塗装やクリア処理に悪影響を及ぼす可能性があります。
仕上げにワックスやガラス系コーティングを施すと、塗装面に保護膜ができ、再び細かなキズがつきにくくなります。これにより、DIY補修後の状態をより長く美しく保つことができます。
コンパウンドは使い方次第でプロ並みの仕上がりが実現できますが、誤った使い方をすると取り返しがつかない場合もあります。自信がない場合は、目立たない部分で試してから本格的に作業を始めると安心です。確実な手順と丁寧な作業こそが、美しい補修を成功させる鍵です。
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4. タッチペンを使う際の正しい手順
タッチペンは、車の小さなキズを簡単に補修できる便利なアイテムです。しかし、使い方を間違えると逆にキズが目立ってしまうこともあります。自然な仕上がりを目指すためには、基本の使い方を正しく理解し、丁寧に作業することが重要です。
まず、タッチペンを使うべきキズの見極めが大切です。塗装が削れて金属や下地が見えている場合は、タッチペンの出番です。塗装の表面だけが薄く削れている程度なら、コンパウンドで磨くだけで目立たなくなる場合もあるため、使い分けが必要です。
使用する塗料は、車体のカラーコードに基づいて純正色を選ぶのが鉄則です。適当な色を選ぶと、光の当たり方や見る角度によって補修箇所が目立ってしまうことがあります。カラーコードは車のドア付近やエンジンルームなどに貼られたステッカーで確認できます。
塗る前の下準備も重要です。補修部分を中性洗剤で洗い、乾かした後に脱脂剤で油分を拭き取ります。脱脂が不十分だと塗料がはじかれてうまく乗らないため、丁寧に処理しましょう。
タッチペンは少量を薄く塗るのが基本です。厚く塗ると盛り上がって不自然になるため、何度かに分けて塗り重ねるのがポイントです。塗料を塗ったら、最低でも数時間は乾燥させます。気温や湿度によっては24時間程度かかることもあるので、しっかり時間を置きましょう。
完全に乾いた後は、段差が気になるようであれば極細目のコンパウンドで軽く磨いてなじませます。さらに、クリアコートを塗布することで、艶と保護効果が加わり、見た目の違和感が少なくなります。
このように、タッチペンでの補修は手軽に見えて、実は繊細な作業の連続です。一つひとつの工程を省略せず、丁寧に進めることで、よりプロに近い仕上がりを目指すことができます。
5. 小さなキズを埋めるパテの活用法
パテは、塗装だけでは埋まらない小さな凹みや欠けたキズを滑らかに整えるための補修材です。塗装前の下地を整えることで、仕上がりの美しさに大きな差が出ます。正しく使えば、DIYでも十分自然な外観を再現できます。
まず、使用するパテは「1液型の簡易補修用パテ」が初心者には扱いやすくおすすめです。金属や樹脂など、素材に合った製品を選びましょう。作業前には、サンドペーパーで補修箇所を軽く削って表面を荒らし、パテの密着性を高めます。
パテはヘラで薄く伸ばすように盛り付け、凹みの中心から外へ向けて押し込むように塗るのがコツです。厚く塗ると後の研磨作業が大変になるため、必要最小限にとどめましょう。
乾燥には1〜3時間ほどかかります。乾燥後は#800前後のサンドペーパーで優しく研磨し、周囲との段差をなくします。滑らかに仕上がったら、プライマーサフェーサー(下地塗料)を塗布して、上塗りの密着性を向上させます。
なお、パテは広範囲や深いへこみには向きません。無理に補修しようとすると、後で割れたり剥がれたりする可能性があるため、損傷の程度によってはプロに相談するのが賢明です。
パテは、下地処理として非常に重要な工程です。丁寧に仕上げることで、塗装ののりが良くなり、全体の完成度がぐっと高まります。目立つキズを自然に隠したい場合は、パテ処理をしっかり行いましょう。
6. 塗装の剥がれを最小限に抑えるコツ
DIY補修でよくある失敗のひとつが、塗装の剥がれです。見た目はうまく塗れたように見えても、数日〜数週間後にペリッと塗膜がはがれてしまうことがあります。これは下地処理や塗り方のミスによって起こることがほとんどです。
まず大前提として、塗装前には「脱脂」が必須です。表面に油分やワックスが残っていると、塗料がうまく定着せず、時間が経つと剥がれてしまいます。専用のシリコンオフなどを使い、丁寧に拭き取りましょう。
次に行うのが「足付け」と呼ばれる作業です。これはサンドペーパーで表面に細かなキズを付け、塗料の密着を良くするための下準備です。#800〜#1000程度の目の細かい紙やすりを使って、光沢がなくなる程度に軽く削るのが目安です。
スプレー塗装をする場合は、一度に厚く塗らず、薄く何度かに分けて重ねるのがポイントです。乾燥時間を適切に取りながら数回に分けて塗ることで、塗料の層が均一になり、強い塗膜が形成されます。1回目は軽く下地が透ける程度で問題ありません。
塗装後は、クリアコートを重ねることで耐久性がアップします。クリア層は紫外線や水分から塗装を守り、色あせや剥がれを防ぐ効果があります。これも同様に、複数回に分けて塗り、しっかり乾かしましょう。
さらに重要なのが乾燥期間です。見た目が乾いていても、内部はまだ柔らかいことがあります。最低でも24〜48時間は水分や衝撃を避けるようにし、洗車や雨天走行は控えるのが安全です。
丁寧な下処理と塗り方、そして乾燥を守ることで、DIYでも剥がれにくく、長持ちする塗装が可能になります。手間はかかりますが、それだけ仕上がりの美しさと耐久性に差が出るため、丁寧に作業する価値は十分にあります。
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7. クリアコートの仕上げでキズを目立たなくする
DIYでの車のキズ補修において、最終的な仕上がりを左右するのが「クリアコート」の工程です。クリアコートとは、塗装面の上に重ねる透明な保護層であり、艶出しと耐候性の向上という2つの役割を果たします。この工程を丁寧に行うことで、補修箇所が目立ちにくくなるだけでなく、長期間にわたり美しい外観を維持することができます。
クリアコートを施す目的は主に2つあります。ひとつは、塗装面の発色を際立たせ、深みのある艶を出すこと。もうひとつは、紫外線や雨、砂ぼこりなど外的要因から塗膜を保護することです。市販されているタッチアップペンの多くにはクリア層が含まれていません。そのため、カラー塗料の上から別途クリアコートを重ねることが必要となります。
使用するクリアコートには「スプレータイプ」と「筆塗りタイプ」の2種類がありますが、DIYでは広範囲に均一に塗れるスプレータイプがおすすめです。ただし、広がりすぎると周囲に飛散する可能性があるため、マスキングをしっかり行った上で使用する必要があります。
クリアコートを塗る際は、塗装が完全に乾いていることを確認してから始めましょう。一般的な補修用塗料の場合、24時間以上の乾燥が必要です。乾燥が不十分なままクリアを重ねると、塗料がにじんだり、縮れたりする原因となります。
塗布の際には、20cm程度離した位置からスプレーを軽く吹き付けるようにします。一度に厚く塗らず、2〜3回に分けて重ね塗りするのがポイントです。1回目はごく薄く、2回目以降で徐々に艶を出すイメージで進めると失敗が少なくなります。吹きすぎると液だれの原因となるため、手早く・均一に動かしながら噴霧しましょう。
クリア塗装の乾燥時間は、気温や湿度によっても異なりますが、最低でも24〜48時間は触れずに置いておく必要があります。特に冬季は乾燥に時間がかかるため、屋内や直射日光を避けた場所での保管が望ましいです。
完全に乾燥した後は、表面の微細な凹凸を取り除くために、極細目のコンパウンドで軽く磨くと、さらに自然な光沢が得られます。この工程を加えることで、補修箇所の境目がほとんどわからないレベルまで仕上げられる可能性があります。
クリアコートは一見地味な工程に見えるかもしれませんが、最終的な「見た目の完成度」を決定づける要素です。実際、補修後の満足度はこの仕上げ作業で大きく変わるといっても過言ではありません。手間を惜しまず、丁寧に仕上げることが、DIY補修を成功に導く鍵となります。
8. 失敗しないためのマスキングテクニック
DIY補修でありがちな失敗のひとつが、塗装範囲のにじみやはみ出しによる不自然な仕上がりです。こうしたトラブルを防ぐには、塗装前の「マスキング」が極めて重要です。マスキングとは、塗装する部分以外をテープや紙で覆い、余計な箇所に塗料がつかないようにする作業を指します。
マスキングに使う主な道具は、マスキングテープとマスカー(テープ付き保護フィルム)です。特にマスキングテープは、車の塗装面を傷めず、はがしやすいタイプのものを選ぶことが重要です。市販のDIY用補修セットに含まれていることもありますが、別途購入する場合は耐熱・耐候性に優れた製品を選ぶと安心です。
マスキング作業の第一ステップは、補修箇所を中心に一定の余白を確保してテープを貼ることです。キズの範囲だけでなく、塗料が広がる可能性のある周囲5〜10cmほどをカバーしておくと、飛散による汚れを防ぐことができます。
貼るときは、直線を意識し、テープの端を浮かせないようしっかり密着させるのがポイントです。浮いていると塗料が入り込み、にじみが生じてしまいます。また、曲面に貼る場合は、テープを細かく切って少しずつ貼ることで、浮きを防ぐことができます。
スプレー塗装を行う際には、地面や風の流れも考慮してマスキング範囲を広げましょう。思った以上に塗料は拡散するため、風向きによっては50cm以上先まで塗料が飛ぶこともあります。周囲の車や壁、衣服に塗料がついてしまわないよう、作業場所の安全確保もマスキングの一部と考えて対策することが大切です。
また、マスキングテープのはがし方にも注意が必要です。塗装が乾ききる前に、テープをゆっくりとはがすことで、塗料の端が滑らかになり、段差ができにくくなります。完全に乾いてからはがすと、塗膜ごとはがれてしまうリスクがあるため、乾燥前のタイミングで慎重に行いましょう。
さらに、補修作業が終わったあとも、テープの粘着剤が残っていないか確認してください。テープの種類によっては長時間貼っておくと糊が残り、塗装面を汚す可能性があります。粘着剤が残った場合は、専用のリムーバーを使用してきれいに取り除きます。
マスキングは、補修そのものの技術と同じくらい仕上がりを左右する工程です。丁寧に貼り、タイミングを見て適切に処理することで、プロに近いレベルの美しい仕上がりを実現できます。手間をかける価値がある工程として、時間と労力を惜しまないようにしましょう。
9. プロに相談すべきキズの判断基準
DIYでのキズ修理は費用を抑え、手軽に行える点が魅力ですが、すべてのキズに対応できるわけではありません。無理に自分で直そうとすると、かえって損傷が広がったり、補修跡が悪目立ちする結果になることもあります。ここでは、どのようなキズが「プロに相談すべきか」の判断基準について詳しく解説します。
最も明確な判断材料となるのは「キズの深さと範囲」です。たとえば、爪が深く引っかかるようなキズや、下地の金属が見えてしまっている状態では、塗装だけでカバーするのは難しく、パテや防錆処理、再塗装が必要です。こうした処理には技術と設備が必要であり、DIYでは対応しきれないことが多いです。
へこみや変形が伴う場合も、DIYでは限界があります。車体が歪んでいる場合、表面だけを直しても内部構造に歪みが残ってしまい、ドアの開閉や走行時の異音など、後々のトラブルに発展する可能性があります。特にフレームに近い部位や安全装置がある箇所は、必ずプロに診断を依頼すべきです。
塗装に関しても、特殊な色合いやパール塗装、メタリック系の塗料は、色の調合が非常に難しいため、DIYでは完全な一致を出すことが困難です。補修後に色ムラが生じたり、光の角度で目立ってしまう可能性が高くなります。車体全体の美観を損ねたくない場合には、初めからプロの手に任せた方が安心です。
また、保険適用が必要な場合や、リース車・社用車など返却時の原状回復が必要な車両も、自力補修は避けた方が無難です。不適切な修理を行ってしまうと、査定額の減少や返却拒否につながるリスクがあります。特に車両査定基準では、補修歴が残っているだけで評価が下がることもあるため、注意が必要です。
判断に迷う場合は、修理工場やディーラーなどに「無料見積もり」や「診断」だけでも依頼してみましょう。最近では写真を送るだけで簡易診断をしてくれるサービスも増えており、わざわざ出向かなくてもある程度のアドバイスを得ることができます。
大切なのは「できる範囲を知ること」です。DIYで直せるキズと、プロの手を借りるべき損傷の見極めを誤らなければ、時間も費用も無駄にならず、仕上がりにも満足できるはずです。無理せず、必要に応じてプロの技術を取り入れる柔軟さを持つことが、カーライフをより快適にしてくれるポイントとなります。
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10. DIY後のメンテナンスと仕上がりチェック
DIYでキズの補修を終えたあとは、仕上がりの確認と適切なメンテナンスが非常に重要です。どんなに丁寧に補修をしても、その後の管理を怠ると、再び目立ってしまったり、塗装が剥がれるなどのトラブルにつながる可能性があります。
まずは仕上がりのチェックを行いましょう。明るい自然光の下で、補修箇所をあらゆる角度から確認します。光の反射によってムラや段差が見えることがあるため、昼間にチェックするのが理想的です。塗装面にざらつきや凹凸がある場合は、極細目のコンパウンドで軽く磨くと滑らかになります。
塗装後すぐの期間も注意が必要です。タッチペンやスプレー塗料は表面が乾いていても、内部は完全硬化していないことがあります。通常、完全に硬化するまでには24〜72時間程度かかるため、その間は洗車やワックスがけを控え、直射日光や雨風にも注意しましょう。
硬化後は、塗装面の保護としてコーティング剤を使うのがおすすめです。ガラス系やポリマー系のコーティングは、紫外線や汚れから塗膜を守り、美しい仕上がりを長持ちさせる効果があります。特にクリア塗装を施した箇所には有効です。
また、補修箇所は定期的に点検することも大切です。小さな剥がれや色あせが見られる場合は、早めに補修し直すことで被害の拡大を防げます。洗車は優しいスポンジと中性洗剤を使い、研磨剤入りのクリーナーや硬いブラシの使用は避けてください。
DIY修理を成功させるには、作業後のケアまで含めて計画することが必要です。仕上がりを保つための継続的なメンテナンスが、愛車の美観と価値を守るカギとなります。
キズ補修は、愛車との新しい付き合い方
車のキズ修理をDIYで行うことは、コストを抑えるだけでなく、自分の手で愛車をメンテナンスするという楽しさも味わえる作業です。正しい知識と丁寧な工程を守れば、初心者でも十分に満足できる仕上がりを目指すことができます。
ただし、すべてのキズがDIY向きとは限りません。深いへこみや広範囲の塗装剥がれ、特殊な塗料が使われている場合は、無理をせずプロに相談することも大切です。DIYとプロの使い分けができれば、より効率的に、そして美しく車を保つことができるでしょう。
また、補修は一度やって終わりではなく、仕上げ後の点検や保護、清掃といったメンテナンスも含めて「ひとつの工程」です。今回の記事を通じて、車のキズ補修に前向きに取り組むきっかけになれば幸いです。まずは、小さなキズから、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。
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